竪型の射出成形機

ダイプラは1959年の創業以来一貫して竪型の成形機を駆使して、
さまざまなインサート成形技術を培ってきました。
横型の成形機に比べ竪型の成形機を保有している成形メーカーは数少ないですが、ダイプラでは創業以来インサート成形が必要な成形品を数多く生産してまいりました。
横型成形機で金型開閉をした場合、インサートワークを挿入すると、落下したり、安定的に位置決めができないなどしたりで、生産が困難な場合があります。重力方向に金型開閉が必要な成形品には、竪型の成形機が必要です。
ダイプラでは60年以上竪型成形機を駆使して、さまざまなインサート成形をこなしてきた豊富な実績があります。
竪型の射出成形機だから、あらゆる形状も保持できる
当該成形品はダイプラが創業当初から今もなお生産している業務用拡声器の部品です。製品中央部にはネジ形状があるため、ネジ駒をインサートし成形後にそのネジ駒を手で戻しています。1ロット生産数量が少ない製品には、このように手動で丁寧な作業を行っています。
この製品にはさらに弊社が別注で手配している真鍮製のネジ付きターミナル端子を5個インサートしています。数多くのインサートワークを挿入する手間暇のかかるインサート成形は、作業するエンジニアの集中力も必要ですし、型締時の成形機の金型保護監視制御能力も精度がよくなくては金型を傷めてしまします。
竪型成形機が必要な開発製品はダイプラにお任せください。
竪型の射出成形だからこそできること
POINT
01
竪型の成形だからこそできる
写真のように長い電線やケーブルなど、横型成形機ではインサートワークを保持できないようなものは竪型成形機で生産するしかありません。
特に1ロットの生産数量が少ない成形品は、横型でもインサートできるように金型にその造作のための費用をかけることが難しいため、簡単に成形できる竪型で生産することの方が費用対効果は確実に大きくなります。
POINT
02
横型の金型開閉では脱落してしまうインサートワークでも竪型なら脱落しない
例え横型の成形機でもインサートワークが挿入できることもあります。ただし、移動側にインサートする場合は、金型保護のため型締寸前で型締速度を減速させますので、減速した反動でインサートワークが飛び出てしまうことがあり、金型で挟んでしまったり、落下したりしてインサートワーク無しの不良品になってしまうことがあります。
POINT
03
4方向にインサートワークを挿入することができる
4方向スライド型のスライドコアそれぞれにインサートすることができます。
横型成形機の場合は上部スライドコアにインサートワークを挿入した場合落下するが、竪型成形機の場合はその心配がありません。
POINT
04
インサート作業が容易であり、作業者の疲労度が軽減され、安定的な量産ができ、品質も安定する
横型成形機にインサートワークを挿入する際には、作業者が金型をのぞき込むような姿勢になるため作業者の身体に負担がかかりますが、竪型成形機の場合は姿勢をまっすぐにしたまま簡単にインサートワークを挿入することができるので、成形サイクルが安定し、製品の品質も安定します。
POINT
05
真円度など成形品の重量バランスの均等性を向上させる
些細な差ではあっても金型内に射出された樹脂は溶融しているため、重力に逆らわず地上側に樹脂が流れる傾向にある。
横型に金型を取り付けていれば樹脂は地上側に流れようとするが、堅型成型機の場合はゲート周辺から均等に広がっていくため真円度が必要な成形品には有効である。
POINT
06
金型ガイドピンへの負担が軽減され、ひいては製品部の損傷軽減につながる
竪型成形機の場合は金型が重力方向に開閉するため、金型開閉の際のガイドピンへの負担が少なく、ひいては製品部への損傷も軽減され、生涯生産数が多い成形品の場合は金型メンテや更新時期が横型に比べ遅らせることができます。
よくあるご質問
Q
竪型成形機で成形できるサイズはどれぐらいですか?
A
小さいものは指先に乗る米粒サイズのものから、大きいものですと、肉厚や使用する材料にもよりますが、投影面積が100㎝²程度までのものです。
Q
竪型成形機は何台有り、その型締め力はどの程度のものですか?
A
竪型として成形できる機械は3台です。型締力は35tが1台と50tが2台で、いずれもARBURG社製のものです。設備情報はこちら。
Q
どんな材料に対応していますか?
A
汎用樹脂からスーパーエンプラまで幅広い樹脂で生産できます。弊社ホームページの取り扱い樹脂は全て対応可能です。対応樹脂一覧はこちら。
Q
インサートワークは貴社(ダイプラ)で手配できますか?
A
材質や形状にもよりますが、たいていのものは手配可能です。